実はガンダムだけではない!富野由悠季が手がけた面白いアニメ作品

ガンダムを手掛けた人物と言えば、富野由悠季さんを外すことはできません。

富野由悠季さんは、ガンダムのような魅力的な作品を作る一方で、以下のような、今でも高い人気を誇るアニメ作品を手掛けた人物です。富野由悠季さんが手掛けた作品の中には、聖戦士ダンバインのように、今ではあまり見られない作風のものがあり、スーパーロボット大戦などを通じて、若い世代が知っているロボットアニメの1つとなりました。

聖戦士ダンバインとは、ガンダムとは違い、リアル世界に近い世界ではなく、バイストン・ウェルと呼ばれる世界を中心として、ストーリーが進んでいくロボットアニメです。また、ロボットアニメと言っても、現実において良く見かけるロボットではなく、人が搭乗することで動作するようになるロボットが登場します。

主人公がバイストン・ウェルに至る話も面白く、今では良く見られる転生もののように、世界に求められてバイストン・ウェルに召喚されるのです。転生ものとの大きな違いは、主人公が一度死んでしまうのではなく、生きて別世界に行くところでしょう。

今では、転生ものの人気が高いため、このようなストーリーのロボットアニメが減っていますが、過去の作品では、スーパーロボット大戦に出てくる魔装機神シリーズなど、別世界に召喚されるという設定は良く使われていたのです。

また、富野由悠季さんの作品のほとんどは、戦争がテーマとなっていますが、聖戦士ダンバインについても同じことが言えます。召喚された目的というのも、聖戦士として活躍するためで、力を付けた主人公はダンバインに乗り敵と戦うようになります。

元々、主人公はモトクロッサー志望の青年でしかありませんでした。この辺りの設定は、ファーストガンダムのアムロ・レイと似ていますが、普段は温厚、もしくは人見知りするタイプの人物が、戦闘では大活躍するというのは、富野由悠季さんの作品では定番となっています。

補足となりますが、バイストン・ウェルに召喚されたのは、主人公のショウ・ザマだけでなく、ショット・ウェポンといった人物も召喚されます。新しい世界で活躍する主人公、そして、新しい世界だからこそ野心を表に出してしまう人物もいたりと、このような人間ドラマに対するこだわりこそ、聖戦士ダンバインの魅力かもしれません。

主人公が搭乗する機体にも、このような背景が上手く活かされています。というのも、人型兵器オーラバトラーに搭乗するには、人間が生み出す力であるオーラ力が必要となるからです。

オーラ力は純粋でなければいけないと定まっていないため、時として暴走してしまった人間により、過大なオーラ力がオーラバトラーに流れ込むシーンも出てきます。この辺りは、ガンダム作品に良く出てくるニュータイプ、強化人間の設定と似ているように感じますが、邪悪な心を持っているものでも、オーラバトラーに搭乗してしまうと、その力を遺憾なく発揮するところは、富野由悠季さんらしい斬新な世界観と言えるでしょう。

また、聖戦士ダンバインにはフェラリオと呼ばれる妖精も出てきます。富野由悠季さんの作品には、子ども、もしくは妖精のような存在が出てくることも多く、海外アニメのようにファンシーな世界観を表現してくれるのです。

このような要素も詰まっているため、富野由悠季さんの作品は、なにもガンダム作品のみですべてまとまっているとは言えません。

ガンダム世界の時系列!知っておいたほうが良い宇宙世紀とは?

ファーストガンダムからΖガンダムまでの宇宙世紀を、わかりやすくまとめさせていただきました。

また、ファーストガンダムから宇宙世紀を語っていくと、最初は、テレビアニメの機動戦士ガンダムからの話となります。宇宙世紀(U.C.)0079から物語が始まり、この時は宇宙都市サイド3がジオン公国を名乗るようになります。

その後、テレビアニメでお馴染みのシーンとなる独立戦争が勃発し、その後、コロニー落としなどにより戦いが激化していくという流れになっているのです。

また、戦争開始直後の戦果はすさまじく、なんとジオン公国により連邦軍は、総人口の半分まで殺害されてしまうという壮絶なものとなります。このように、話が最初の頃からすさまじいため、ファーストガンダムは今でも、宇宙世紀を語る上で欠かせない時系列となっています。

その後、地球連邦軍もジオン軍のMS(モビルスーツ)であるザクを模倣するようになり、地球連邦軍のMSであるガンダムを完成させます。このガンダムのパイロットこそ、宇宙世紀で大きな戦績を残すアムロ・レイなのですが、最初は、ガンダムに搭乗するのが嫌な普通の子どもでした。

そして、時は流れU.C.0079年10月10日~12月2日になると、劇場版のファーストガンダムを通じて、さらに独立戦争が進むようになっていきます。

タイトルでは機動戦士ガンダム2となり、哀戦士編として知られる劇場版なのですが、U.C.0079からの大きな違いは、ジオン軍のベテランパイロットとアムロ・レイが、激戦を繰り広げるところでしょう。この頃には、アムロ・レイと親しい人物も戦争の被害者になっているため、アムロ・レイも自分の役割を察するようになります。

進んでガンダムに搭乗するようになっていくのですが、同時にニュータイプとしての力を覚醒するようになっていき、このような力は地球連邦軍だけでなく、ジオン軍でも研究されるようになるほど、戦争において、多大な成果をあげるものと認められるようになっていきます。

U.C.0079年12月2日~12月31日に差し掛かると、機動戦士ガンダム3の劇場版となり、こちらは、めぐりあい宇宙編として親しまれるものです。

地球連邦軍、ジオン軍が決着をつけるために、宇宙で熱い攻防を繰り広げるという内容なのですが、実はまだU.C.0079から1年経過していません。そのため、1年戦争と呼ばれる戦争でもあるのですが、ニュータイプとして覚醒したアムロ・レイが、同じようにニュータイプとして覚醒したララァ・スンと戦い、そして、ニュータイプとはなんなのかを理解していく話です。

シャア・アズナブルも、純粋なララァ・スンに惹かれた1人の男性として、アムロ・レイと決着をつけるようになります。この決着を終えたところで、ファーストガンダムが終了となるのです。

それから時が経ち、U.C.0087年3月2日~88年2月20日を舞台にして、機動戦士Zガンダムがテレビアニメとして放送されるようになります。ファーストガンダムで登場したアムロ・レイ、シャア・アズナブルもΖガンダムに出てきますが、今度は、地球連邦軍、ジオン軍の争いではなく、ジオン軍残党との争いを、ティターンズ、エゥーゴという勢力によって、物語が進んでいくようになっています。

戦場で活躍する機体!モビルスーツは他の戦闘機となにが違う?

ガンダム作品には、MS(モビルスーツ)が良く登場するため、ガンダム世界を構成している大きな要因になっていることが多いです。

ですが、なぜモビルスーツに搭乗して戦っているのか、そのことについて知らない人もいるので、今回は、モビルスーツの意義について語っていこうと思います。そもそも、ガンダム世界にはミノフスキー粒子が存在するので、限定的な空間のみで戦いが起きるようになっています。

これは大規模な戦争、小規模な戦争でも同じなので、ガンダム作品共通の設定なのかもしれません。

また、ミノフスキー粒子は電子技術、ビーム兵器などの効果を弱める力があるため、時として実弾兵器に頼ったり、狭い範囲内で的確に動く兵器を使用しないと、戦争上で有利になることができません。そこで開発されたのがモビルスーツというわけです。

実際に、ファーストガンダム内ではモビルスーツが大活躍しました。例えば、宇宙で地球連邦軍の戦艦を多く沈めたのはモビルスーツですし、地球侵略時にもモビルスーツが活躍していますので、むしろ、活躍していないシーンを探すほうが大変かもしれません。

それと、モビルスーツのような人型兵器であれば、武器の持ち替えを自由に行えるようになります。持ち替えについては、ガンダム世界では良く出てくるシーンの1つなのですが、ザクの場合はマシンガン、手榴弾のような武器を持ち替えているシーンが出てきますし、これにより状況に合わせた武器選択が可能となるのです。

また、このような要素を取り入れたいのであれば、戦闘機を駆使して戦えば良いのではないかと考えてしまいますが、これでは、戦いを有利に進めることが難しくなってしまいます。

というのも、地球連邦軍、ジオン軍ともに戦艦、モビルスーツの強度が高いからです。そのため、部分的な被害を与えることは可能でも、肝心の火力不足に悩まされることになりますし、地球連邦軍のガンダムに至っては、ザクのマシンガンを耐え凌ぐ強度となっているのです。

ガンダムは、ガンダニュウム合金製となっているため、軽く丈夫なモビルスーツとして大活躍します。つまり、重くて動きが鈍い兵器という問題点を、モビルスーツのほとんどが解決しているので、モビルスーツが良く運用されるようになっていくのです。

ただ、ガンダム世界ではまったく戦闘機が出てこないわけではありません。コアファイターと言われる戦闘機も出てきますし、ファーストガンダム以外では、強力なビームライフルを搭載した戦闘機まで出てきます。

ですが、ガンダム世界では肝心のパイロットが不足しているのです。そのため、少しでも高い戦果をあげるために、あえてモビルスーツに搭乗してもらうということも多かったりします。

その他の特徴では、モビルスーツにはモデルが存在し、一般兵士用モデル、指揮官用モデルのモビルスーツまで出てきます。これらの違いは戦闘能力だけでなく、搭載されている機能にも違いがあり、場合によっては、たった1機のモビルスーツが敵をなぎ倒すといった、従来の戦闘方法では確立できなかった、そんな戦いまでをも可能としました。

ニュータイプと強化人間!似ているようで違っているところが多い

ガンダム世界に登場するニュータイプ、オールドタイプですが、実は、他にも強化人間という人間も出てきます。

ニュータイプは、人類が宇宙に出るようになってから誕生した、新人類であり、オールドタイプから進化した人物として描かれています。では、強化人間はなんなのかというと、無理矢理ニュータイプに近づけた人物のことを、ガンダム世界では強化人間と言うのです。

補足となりますが、ファーストガンダム時点で多くの強化人間が登場するわけではありません。アニメのガンダムを見ると良くわかりますが、ファーストガンダムでは、ニュータイプとして目覚めたアムロ・レイ、シャア・アズナブル、ララァ・スンが中心となって、ニュータイプ同士の交流、戦闘などが描かれるようになっています。

では、強化人間はどの辺りから良く出てくるようになったのかというと、それはΖガンダムというガンダム作品からです。

Ζガンダムでは、フォウ・ムラサメ、ロザミア・バダムといった強化人間が出てきます。といっても、強化人間らしさというのは会話の異常さ、そして戦闘中の異常行動以外では、ほぼ確認できない内容となっているため、オールドタイプとの違いは、強化人間になるための手術であり、強化などを受けているかどうかしか存在しません。

サイボーグ手術のようなものを受けた人物でもないため、強化人間は、オールドタイプのように普通の格好、見た目をしていることが多いです。ですが、いきなりぶつぶつと独り言を言うようになったり、幼稚な言葉を並べ立てることが多くなったり、戦闘行為に対して極度のストレスを感じることがあるのです。

ニュータイプと比較するとわかりやすいのですが、ニュータイプは戦争をストレス無く行っているシーンが目立ちます。極度の緊張を感じていても、取り乱すシーンが少なかったり、自分の手足のようにMS(モビルスーツ)を動かし、多大な戦火をあげるものも少なくありません。

実際に、このような違いも存在しますので、Ζガンダム、ZZガンダムでは強化人間のことを嫌っている人物もいれば、さらなる強化を施す必要があるとして、そのことを徹底的に進めようと画策する人物も出てきます。この辺りで比較を行うと、ニュータイプには人権があり、強化人間には人権が無いという一面を窺い知ることができるのです。

その他の違いも探っていくと、Ζガンダムに登場するフォウ・ムラサメ、ロザミア・バダムらは、Ζガンダムの主人公カミーユ・ビダンに惚れている、もしくは、好意を寄せているシーンが多く見受けられます。

精神的に不安定なのか、誰かを求めてしまうシーンが多かったり、自分のことを訴えることが多いシーンが目立ち、また、特定の人物に対して気を許すことが多いという特徴があるのです。ニュータイプの場合は、多くの敵意を把握して混乱する、もしくは恐怖に呑まれてしまうシーンも出てきますが、ほぼすべてのニュータイプパイロットは、このような状況を精神力で乗り切っていることが多いです。

補足となりますが、精神的な面でニュータイプ、強化人間を比較すると、ニュータイプは作中で成長することが多く、他のガンダム作品でも同様の表現が目立つところに違いがあります。しかし強化人間は、作中で成長することが少ないだけでなく、辛い実験の影響で人格、精神に異常をきたす人物が多くなっていきます。