中二病を大量生産!個性的なパイロットが味方、敵に多いガンダムW

今では、中二病という言葉を知っている人が多いほど、アニメを通じて色々な言葉が良く浸透するようになりました。

ですが、ガンダム作品の中で中二病の性質が強い作品というと、一番に挙げられるのがガンダムWとなります。どのようなところに中二病の要素があるのかというと、それは、パイロットであり主人公たちが、中二病そのままというところでしょう。

そもそも中二病とは、中学二年生に良く見られる妄想、憧れのことで、格好良いものに憧れたり、そのような格好良いものを意識しすぎて、キャラクター設定を自分に投影するなど、一般人と比較すると痛い生き方をしている人物のことです。ですが、今ではアニメ文化が浸透するようになり、中二病を発症するのは子どもばかりではありません。

そんな中二病の前身となっているアニメ作品こそ、ガンダムWのような中二病キャラクターの多いガンダム作品です。

ガンダムWの場合、メイン主人公であるヒイロ・ユイというキャラクターが、中二病の塊のような存在として出てきます。というのも、高いところから落ちても無事なほど体が丈夫、戦士としての訓練を受けている、指導者の名を継いでいる人物だからです。

大人であれば、このようなキャラクターがいたとしても不思議ではありません。ですが、ガンダムWの主人公たちは少年なのです。

ガンダムWには5人の主人公が登場するのですが、ヒイロ・ユイだけでなく、デュオ・マックスウェル、トロワ・バートン、カトル・ラバーバ・ウィナー、ウーフェイたちも、かなり過激であり中二病そのままのキャラクターたちです。では、どうしてガンダムWは多くの人たちに受け容れられたのかというと、それは、中二病が浸透していない時代であったこと、ガンダム作品の雰囲気を変える作品であったところが強いです。

ガンダムWの中では、平和主義者たちと、兵器を開発することで地球を統一する意思を持つものたちが出てきます。

平和主義者はリリーナ・ピースクラフトを代表として活動を続け、やがてはヒイロ・ユイなど主人公たちの助力を経て、平和主義者としての道をヒイロ・ユイと歩むようになるのです。そして、その際には戦争で使用したガンダムが破棄されるようになり、ガンダムWの物語が終わってしまうという内容になっています。

このように、ただ中二病キャラクターたちが戦争を仕掛ける、戦争を集結させるのではなく、戦いとはなんなのか、戦いを終わらせるために必要なこととはなんなのかを描いているため、一般の人からも支持される作品となりました。他から避難されてもおかしくはない、そんな大規模なプロジェクトに参加した主人公たち、そのため、無理がたたってからは戦いの激化に苦しみ、また、仲間との関係もどことなく疎遠なものになっていくのです。

ガンダム、戦争、少年少女といった、定まったテーマで躍動する世界観、中二病は、そんなガンダムWの世界では細やかなスパイスなのかもしれません。

このように、世界観、キャラクターたちだけでも楽しい作品なのですが、ミリアルド・ピースクラフト、トレーズ・クシュリナーダのように、主人公たちと敵対することのあるキャラクターたちも魅力的です。主人公のような子どもばかりが戦っているわけではない、そして、戦争に対して適切な判断、責任を問うことの大切さを、これらのキャラクターたちが教えてくれます。